漏水は、ある日突然やってきます。
蛇口や水道管から勢いよく水が吹き出していればすぐに異変に気付けますが、実際にはそんなケースは稀です。

多くの場合、漏水の発見は水道検針員さんの発見からはじまります。

検針作業の際に、前月よりも水道の使用量が極端に増えていることに気付き、口頭で伝えてくれたり、留守の場合はポストに通知を投函してくれます。

突然ポストに「水道使用量が異常に増えています」という紙が入っていたら…びっくりしますよね。

でも慌てなくて大丈夫。今回は「もしかして漏水?」と思ったときに自分でできる確認方法を紹介します。

これはプロの業者も行っている方法ですので、知っておけば落ち着いて対処できるようになります。

漏水疑惑が出たらすぐに行動しよう

水道局からのお知らせが届いたら、まずは自分で確認してみましょう。

漏水を放置してしまうと、水道料金が高額になるだけではなく、使用量を基に料金を減額できる「減免申請」の対象外になってしまうことがあります。減免措置は気が付かない漏水による高額請求を減免する措置です。

つまり、「気づいていて」放置すると、本来受けられる救済措置が受けられなくなってしまうのです。

だからこそ、まずは「本当に漏水しているのか?」を落ち着いてチェックすることが大切です。

宅内や見える箇所の漏水は『管理不足』となり、減免申請が使えない場合が多いです

水道メーターのコマを確認する

基本的な確認方法は「水道メーターのコマを見る」こと。

やり方はシンプルです。

  1. 家中の蛇口をすべて閉める。
  2. 水道メーターを確認し、コマ(パイロットマーク)が回っているかどうかを見る。

もしコマが止まっていれば、漏水はありません。
単純に「洗濯機を買い替えた」「家庭の使用量が増えた」といった理由で水道の使用量が上がっているだけでしょう。

しかし、ゆっくりでもコマが回り続けている場合は要注意。どこかで確実に漏水しています。

水道メーター

写真の赤〇内がくるくる回っていると、どこかで水が使われています

水道メーターの設置場所は?

水道メーターの位置は自治体ごとに少し違います。

たとえば、「敷地境界線から2m以内」や「建物外壁から2m以内」など、地域によって違いがあります。

私が知っている自治体では、以前は「建物外壁から2m以内」だったのですが、ある年の厳冬で、メーターよりも手前の水道管が凍結・破裂し大問題に。結果として「敷地境界線から2m以内」に変更されたそうです。

理由を聞くと「水道メーターまでの管は自治体の所有物だから、修理費は自治体負担になる」とのこと。

正直「ちょっとずるいな」と思ったのを覚えています。

メーターボックス

メーターは写真のメーターボックス内に収められています。

コマが止まらない場合は「水抜き栓」をチェック

家中の水道を止めていても、水道メーターのコマが回っていた場合は、次のステップです。

まずは落ち着いて「本当にどこも水を使っていないか」を再確認しましょう。

蛇口からポタポタと水滴が落ちているだけでもメーターは回ります。それくらい感度が高いんです。
和式トイレの凍結防止用に水が流れ続けていた、なんてケースもあります。

それでもやはり漏水らしい場合は「水抜き栓」を閉めて確認してみましょう。

水抜き栓とは?

水抜き栓は、一戸建て住宅なら外に必ず1つはある設備で、給水装置をメンテナンスするときや長期留守時の凍結防止に使うものです。

閉めると、その栓につながっている部分だけ水が止まります。たとえば、キッチンやトイレ、外水栓など。

水抜き栓を順番に閉めていき、どこを止めたときにメーターが回らなくなったかを確認すれば、漏水箇所をある程度絞り込むことができます。

水抜き栓

水抜き栓ってこんな地面の中はこんな風になってるんです。
雪国だと水道管が深いところに埋まっているので水抜き栓も長くなります。

漏水が見つかったらプロに依頼しよう

ここで大事なのは「漏水が確認されたら、自分で直そうとしない」ことです。

パッキン交換程度ならできる方もいると思いますが、実際に漏水を引き起こすケースはもっと複雑です。
しかも、水道工事は資格を持ったプロでなければ行えないというルールがあります。

DIYが流行している今、ネットを調べれば交換方法も出てきます。
しかし、自己判断で作業してしまうと「減免申請が受けられない」「修理保証がきかない」といったリスクを背負うことになりかねません。

確実なのは「工事は業者に任せる」こと。

普段から付き合いのある設備屋さんがいればそこに依頼すればよいですし、いなければ自治体の水道局に問い合わせましょう。指定工事店を紹介してくれるので安心です。

減免申請について

漏水で水道料金が高額になった場合、「減免申請」を行うことができます。これにより、本来かかるはずだった金額に近い料金に調整してもらえる場合があります。

ただし、申請は業者を通して行うことが多く、その手数料が業者によって異なります。無料のところもあれば数万円かかるところもあるのが現状です。

このあたりはまた別の記事で詳しくまとめたいと思います。

まとめ

  • 漏水は突然やってくるが、慌てず水道メーターで確認できる
  • コマが回っていたら「水抜き栓」で絞り込み
  • 漏水が確定したら必ずプロの業者に依頼する
  • 減免申請ができるケースもあるが、条件や手数料に注意

水道料金のお知らせを見て慌てる気持ちはわかりますが、知識さえあれば落ち着いて確認できます。

いざというときのために「水道メーターの見方」「水抜き栓の場所」を日頃から把握しておくことをおすすめします。