最近の住宅でよく耳にする「土間転がし配管」。
名前だけ聞くと、「土間で何かを転がすの?」と思ってしまいますよね。
実際には、水道管の敷設方法のひとつで、住宅の床下、いわゆる土間コンクリートの上を配管する施工法のことを指します。
昔の住宅では、鉄管や銅管などの金属製の配管が主流でした。
しかし近年では、樹脂製の水道管が一般的になり、施工の自由度も高くなっています。
そして、この樹脂管を使った施工方法として「土間転がし配管」が注目されているわけです。

土間転がし配管の最大のメリットは「メンテナンスのしやすさ」
この工法の一番のメリットは、やはりメンテナンス性の高さです。
建物の床下にある水道管は、樹脂製の管で作られています。
樹脂管は、昔の鉄管に比べて柔軟性があるため、曲がりがある場所でも継手を多用せずに配管できるんです。
そのおかげで、漏水のリスクを最小限に抑えられるのも大きなポイントです。
さらに、樹脂管は色分けされていることが多いです。
青い管は水用、赤い管はお湯用。
これがあるおかげで、万が一水漏れが発生した場合でも、どの管が水でどの管がお湯かを一目で確認できます。
施工業者だけでなく、他の業者が修理に入った場合でも、この色分けは大変役立ちます。
また、赤や青の部分は保温材で覆われており、冬場の凍結防止にもなっています。
特に雪国では、この保温材がより厚く、凍結リスクをさらに低減しているんですよ。
鉄管よりも冷えにくく、更に保温材で守られている、寒さに強い水道管ですね!
樹脂管は施工も簡単!
樹脂製の水道管は、施工性の良さも魅力です。
配管を分岐させたり、直立させたり、曲げたりする場合には「継手」という部材を使います。
昔はこの作業が大変で、専用工具を駆使しながら配管をつなぐ必要がありましたが、樹脂管の場合はパイプカッターというハサミのようなもので切断し、差し込むだけでOK。
施工の手間が大幅に減るため、作業効率がぐんと上がります。
床下での作業も負担が少なく、作業スピードの向上につながります。
これも、近年この工法が増えている理由のひとつですね。
土間転がし配管は耐久性も十分
「柔らかい樹脂管って耐久性は大丈夫なの?」
と思う方もいるかもしれません。
安心してください。樹脂管は耐久性も高く、腐食の心配がほとんどありません。
金属管のように錆びることもなく、水質にも影響を与えにくいのが特徴です。
また、床下に隠れているため外部の衝撃からも守られています。
直射日光や凍結の影響も、保温材や土間コンクリートによってしっかり防がれています。
まとめ:現代住宅に最適な配管方法
土間転がし配管は、
- メンテナンスがしやすい
- 色分けと保温材で管理が簡単
- 施工が簡単で効率的
- 耐久性も十分
といったメリットがあります。
昔ながらの鉄管工法と比べると、施工も維持管理も格段にラクになっています。
そのため、近年の住宅ではこの土間転がし配管が主流になりつつあるのです。
水道管は、建物の中で普段目にすることが少ない部分ですが、だからこそ施工方法や材質にこだわることはとても重要です。