設備屋さんと一言で言っても、実はすごく幅が広い職種なの知ってました?
私も現役時代は、いわゆる「なんでもやる設備屋さん」として働いていました。
改めて振り返ってみると、設備屋さんの仕事って本当にいろんな分野に関わっているんですよね。

今回は、「設備屋さんってどこまでやるの?」という疑問をテーマに、少し深堀してみようと思います。

設備屋さんにもいろいろある

「トラブルが起こった!設備屋さんに連絡しなきゃ!」
そんなとき、いつもお願いしている業者さんがいれば安心ですよね。

でも、いざというときに「どこに頼めばいいの?」となる人も多いはず。

もし水回りのトラブルなら、各自治体の水道局ホームページに掲載されている「指定給水装置工事事業者一覧」から探すのが確実です。
この“指定店”というのは、国家資格を持った人が在籍している会社だけが登録できる制度なんです。

つまり、指定店に登録されている設備屋さんなら、一定の技術や資格を持っているということ。
水道管の修理や交換、排水管の詰まり対応など、安心して依頼できます。

給水・排水工事は設備屋さんの代表格

「設備屋さん=水道屋さん」というイメージを持っている人も多いかもしれません。
確かに、上水(給水)や下水(排水)に関わる仕事は設備屋さんの基本です。

例えば、新築の現場では、地面の下に水道管を埋設したり、下水道の配管を敷設したりします。
この作業ではショベルカーを使って穴を掘り、ダンプカーで残土(掘った土)を運び出します。

さらに、砕石を敷いて転圧したりして地盤を整える作業までやることもあります。

「え、それって建設会社の仕事じゃないの?」と思うかもしれませんが、
実際には設備屋さんが自社でやってしまうケースも多いんです。

外注するとコストがかかるため、自前で重機を扱う設備屋さんも珍しくありません。
私もランマーで転圧したり、ダンプに乗って砕石を運んだりしました。

こうしてみると、給排水工事だけでもかなりの作業量ですよね。

エアコン取付

最近は、エアコン取付専門でやっている設備屋さんも増えています。

家電量販店や通販サイトと契約して、1日数件の工事をこなす職人さんも多いです。
配管や真空引きなど、ただ“つけるだけ”ではない技術が必要になるため、経験がものを言う分野でもあります。

夏の繁忙期になると、まさに戦場のような忙しさ。
猛暑の中、室外機を担いで階段を上がるのも、設備屋さんの「あるある」です。

たまに室外機を肩に担いで階段を上る設備屋さんも居たりします。
室外機って重心が偏っているから持つの大変なんですよね。

トイレの取り付け

住宅設備といえば、トイレも欠かせません。
トイレの交換や新設、ウォシュレットの取付も設備屋さんの仕事です。

実は、トイレってただ置けば終わりではなく、
排水位置の調整、水圧の確認、止水栓の接続など、細かい作業がたくさんあります。

便器の取り換えだと古い配管の芯が合わなく、新しく配管して位置を修正しなければいけなかったり、その場の判断力が求められます。

キッチンやユニットバスにも関わる

「キッチンやお風呂は専門の業者がやるでしょ?」と思われがちですが、
実は設備屋さんもかなり関わっています。

確かに、システムキッチンやユニットバス自体の組立ては専門業者が担当します。
しかし、水とお湯の配管の接続や、排水管の取り付けは設備屋さんの仕事です。
また、換気扇のダクト工事なども設備屋さんが行うことが多いです。

新築住宅では、基礎工事の前段階から引き渡し直前まで、ずっと現場に関わるのが設備屋さん。
基礎の中に埋める配管から、最後の水が出るか確認まで、すべて設備屋さんの担当範囲なんです。

ずっと現場にいる、それが設備屋さん

新築現場では、基礎工事が始まる前から設備屋さんが登場します。
配管の位置を決め、建物の図面を見ながら給排水を通すルートを考える。

壁の中の配管工事、仕上げの段階では水栓金具やトイレ、エアコンなどの取り付け。

つまり、家が完成するまでのほとんどの期間、設備屋さんは現場に関わっているんです。
「気づけば毎日いるな…」なんて言われるくらい、長く現場にいる職人さんです。

まとめ:設備屋さんは“家のインフラ”を支える職人

こうして見ると、設備屋さんの仕事は本当に幅広いですよね。
給水・排水・空調・衛生設備・換気…まさに「家のインフラ」を支える存在です。

普段はあまり目立たない職種ですが、いざというときに頼りになるのが設備屋さん。
水が出る、お湯が使える、トイレが流れる。
その当たり前を支えているのは、現場で汗を流す設備屋さんたちなのです。

そして、忙しいけれどやりがいのある仕事。
現場の最初から最後まで関わるからこそ、完成したときの達成感はひとしおです。