近年の猛暑で、エアコンは完全に生活必需品になってしまいましたね。
今までは「電気代がもったいない」と思って我慢していた人も、今はエアコンなしでは命にかかわるレベル。
熱中症で病院のお世話になれば、電気代なんて比べ物にならないくらい高額な出費になります。
というわけで今回は、エアコン取付工事のトラブルについて深掘りしていきます。
これからエアコンを取り付けようと考えている方の役に立てればうれしいです。
エアコンはシンプルな機能で十分!
これは私の経験からですが、エアコンはシンプル機能のものほどトラブルが少ないです。
最近は「自動お掃除機能付き」が人気ですが、実際に不具合が起きやすいのもこのあたりなんですよね。
お掃除機能自体は便利そうに見えるんですが、「お掃除機能のお掃除」をさぼると詰まってしまって故障の原因になるんです。結局、自分で掃除が必要になります。
その点、シンプルなエアコンならお手入れも簡単。
フィルターを外して洗うだけなので、難しいことはありません。余計な機能がない分、壊れにくいのもメリットですね。
フィルター洗浄も毎日するものでもないので手間にもなりません。
量販店のエアコンは本当に安い?
テレビ通販や家電量販店のチラシを見ると、エアコンが驚くほど安く感じることありませんか?
確かに本体価格は安いです。ですがその値段設定にはからくりがあります。
ここら辺が、結構トラブルになったという話が多いんですよね。
私は設備屋として現場経験はありますが、量販店の工事内容まで詳しくないので調べてみました。
標準工事に含まれる範囲(だいたい共通)
- 配管4mまで(冷媒管・ドレンホース・VVFケーブル)
→ 室内機から室外機までの配管が4m以内なら追加料金なし。5m目からは1mごとに2,500〜4,000円程度が発生します。 - 穴あけ1カ所(木造・モルタル壁に65mm程度)
→ 木造ならOKですが、コンクリート・タイル壁は追加料金。 - 室外機の設置(ベランダ・地面置き・1階周り)
→ プラブロック2個はサービス。屋根置きや二段置きは別料金。 - 真空引き(冷媒管の空気抜き)
→ 今は必須。昔は手抜き工事もありましたが、量販店ではほぼ含まれます。 - 試運転・リモコン確認
→ 電源が準備されている前提で、冷暖房の動作チェックまで。
標準に含まれないもの(追加料金になるケース)
- 配管延長(4m超)
- コンセント形状や電圧変更(100V⇔200V)
- 特殊な室外機設置(屋根置き・壁付け・クレーン搬入など)
- 隠蔽配管の利用(壁の中の既設配管)
- コンクリートやタイルの穴あけ(1カ所5,000〜10,000円)
- ドレン排水の特殊処理(ポンプアップや長距離延長)
- スリムダクト取付
とにかく「普通のベランダ直下置き・木造壁」でないと、すぐに追加料金が発生する仕組みです。
配管の4mってどのくらい?
これ、イメージが難しいですよね。
- 室内機の高さ → 床から2.2〜2.4m
- 壁を抜けて外まで → 約0.5〜1m
- 横移動 → 1〜1.5m
合計すると 3〜4m前後 で、マンションやアパートのベランダ直下置きなら標準工事で収まることが多いです。
逆に4mを超えるのはこんな場合。
- 室外機を家の裏庭に置きたい
- 戸建て2階の部屋から1階に設置
- 建物の構造上、ぐるっと配管を回す必要がある
この場合、すぐに5〜6m以上となり、延長料金が発生します。
工事料金の目安
- 標準工事:15,000〜20,000円(セット料金に含まれるケースも)
- 延長や電源工事:+5,000〜15,000円
- 特殊工事(屋根置き・隠蔽配管・電気容量増設):+2〜5万円
こうして見ると、最初の広告価格とは大きく違ってくるのがわかりますよね。
ざっくりいうと、エアコン取り付けた壁裏に室外機を置ける環境でない限り標準工事では収まりません。
スリムダクト(化粧カバー)の必要性
ここで気になるのが「配管カバー」。
標準工事では配管をビニールテープでぐるぐる巻きにするだけ。
一方、スリムダクト(化粧カバー)を使えば、見た目がきれいなだけでなく、紫外線や雨風から配管を守り、保温材の劣化を防いでくれます。
実は、冷媒管の保温材は「凍結防止」ではなく結露防止。
夏場は冷たい冷媒が流れるため、外気との温度差で結露が発生します。
保温材があることで外気に触れないので結露が出ないんですよ。
保温材がなくなり壁の中で結露が発生すると、外壁内でカビやシロアリの原因にもなりかねません。
シロアリ駆除や補修工事になれば、数百万円かかることも…。
だから私は、多少費用がかかってもスリムダクトをおすすめします。
量販店と設備屋さん、どっちがお得?
一見すると量販店は安いように見えます。
ですがオプションをあれこれ追加すると、結果的に設備屋さんに依頼した場合と大差ない金額になることもあります。
さらに、最近は自治体や商工会でプレミアム商品券が発行され、設備屋さんで使えることもあります。
こういう制度をうまく利用すれば、地元業者の方が結果的に安く、安心して施工できるケースもあるんです。
どちらがお得というのは断言できないのですが、信頼できるお店で交換するというのが一番ですね。
まとめ
- エアコンはシンプル機能が壊れにくく、メンテも楽
- 量販店の「標準工事」は条件が厳しく、すぐ追加料金がかかる
- 4m以内=ベランダ直下置きならOKだが、戸建ては超えやすい
- スリムダクトは別料金だが、配管保護のためにもおすすめ
- 地元設備屋+商品券活用で、意外とコスパ良く工事できる
見た目の価格だけで飛びつくのではなく、工事費込みでいくらになるのかをしっかり確認することが大事ですね。